2017年11月27日月曜日

やはり人柄がものをいう


 ハロウィーンが終わったと思ったら、もう12月でクリスマスや年末、お正月もそこまでという現実味が増して焦ってきます(笑)
 巷では受験生がいよいよ追い込みという空気を感じます。今どきの大学受験は、一般的な入試だけはでなく、独自の入試方法が様々で、よーく情報収集をしておかなければ、有利な入試方法を見落としてしまうことになりかねません。リトルスプラウトでお預かりしている子ども達には、まだまだ先の話ですが、そのころには2020年の入試改革が社会に定着している頃でしょうか。

 夏以降、続々と周りの受験生たちが、合格したという報告を聞き、とても嬉しい気持ちなのですが、彼ら、彼女らを見ていると、テストの点数ももちろんでしょうが、どの子も『人に好かれるキャラクター』『礼儀正しい』『自分をアピールできる』『自信を持って発言出来る』というような、ステキな愛するべき人柄を持ち合わせているこども達ばかりでした。ある子は、面接で自分らしく思いっきり笑顔でアピールしたあと、面接官から『大学に入ったら期待しているよ!』という言葉が出たそうです。そこまで、相手をワクワクさせることが出来たなら大成功でしょう。その話を聞いて、さすがだなと感心しました。

 人生において、入試だけでなくそんな場面は常に起こります。相手を惹きつけるものを持っている人は、どんな難しい問題に答えらえるという人より強い武器を持っていると思います。

 リトルスプラウトでは、そのような価値観を頭に置きながら日々子ども達を育てています。保護者にとっては、プリント学習をたくさんして、ほらこんなに出来ましたよ。というのが分かりやすく、満足していただける結果なのでしょうが、必ずしもそれが子ども達にとってはベストでなく、また近道ではないと私たちは考えています。

 まだまだこれから長い人生です。ご家庭では、これでいいのかと不安や不満に感じることもあるかもしれませんが、今の幼児期には人格形成の土台づくりを優先させてあげる環境を、少しスローダウンして待ってあげてください。目には見えない成長かもしれませんが、こどもたちは脳をフル稼働させてたくさんのことを学んでいます。一見、何にもならないつまらないことをしているように見えるかも知れませんが、ちゃんと脳の中身は刺激を受けて、これからの準備をしています。

 先日から、『マルトリートメント』の本を読んでいるのですが、まずはしっかり愛着や心が安らげる場所を作ってあげることが、どれだけ子どもの成長にとって大切なのか、それが慢性的に欠けていると実際に脳が変形し、のちに様々な影響を与える事例や研究結果がたくさん紹介されていました。
いつでも神様、仏様のような親ではいられないと思いますが、時にゆったり、じっくり子ども達と過ごす時間をぜひ取ってあげてください。





2017年10月25日水曜日

自慢のスタッフ


 今日は先生方について、少しお話をしたいと思います。
リトルスプラウトでは、現在4名の英語ネイティブスタッフ、6名の日本人スタッフが働いています。ネイティブの先生方は、3名がアメリカ人、1名は英語がネイティブの日本国籍の方です。それぞれアメリカ本国での教育現場、日本での公立の小・中学校、インターナショナルスクール、大手英会話学校など、英語にまつわる様々な現場で指導を続けてこられた、経験が豊富な先生方です。例えば主任ののRobb先生は、日本人よりも真面目で責任感が強く、毎日のスクールでは、きっちりと念入りなレッスン準備をしてくれています。そのおかげで子ども達の英語も、まだ発展途上ですが『聞く、話す、読む、書く』がバランス良く身についてきました。Robb先生はこども達の心をつかむのが上手で、お家の方からの信頼もとても厚い先生です。


 教育全体を統括しているYamada先生は、とにかく教育に対しての熱い思いがあり、教育について語りだすと話が長くなります(笑)子ども達の為に常に最善の環境を作ろうと、日々フルパワーで動いてくれています。また9月よりYamada先生と共に、運命としか思えない良縁があり、幼児教育の専門であるAsa先生もチームに加わってくれ、子ども達の何気ない時間も、意味を持った保育が出来るように環境が進化しました。先生のノートを覗くと、たった数週間で子ども達一人一人の行動や性格をとてもよく観察し、ノートに細かくメモを取ってくれていることに驚きました。Asa先生もまた真面目です。その他にも、スクールでは家庭的保育者として、お母さんのような目線で包み込むように優しく子ども達に接してくれている先生方がいます。皆、自主的に責任を持ち仕事をこなしてくれ、信頼できる自慢のスタッフばかりです。

 『プリスクール』、『インターナショナルスクール』と言われるスクールでは、英語がどれだけ身につくかという広告ばかりが前に出てしまうことがあります。それを選ぶ保護者の方々も、他の家庭と比べたり、どんな難しい問題がどれだけ答えられるのかということに焦ってしまい、子ども達の気持ちと一番大切な心と体の安定、年齢に合った成長過程というものが置き去りにされていると感じることがあります。


 英語保育のスクールは時代のニーズと共にたくさん増え、個々にいろんなサービスを提供しています。選ぶ際に気にしていただきたいところは、スクールがHPで謳う内容だけではなく、実際はどうなのかというところを良く見ていただくことが大切だと思います。どの業界でも必ず良し悪しがありますが、そもそもマニュアルが無いスクールや、ビザの為だけに働いているスタッフ、衛生管理が良くない場合や、不法な行為、十分なトレーニングが行われていない事や、スタッフ間のいやがらせなど、場所によっては、子どもを安全に保育する以前の問題を抱えているところも少なくありません。

 また日本人スタッフにおいては、保育士などの幼児教育の免許を持ちながら、英語を話すスタッフを確保することはとても困難な現状があります。幸運なことにリトルスプラウトではその課題をクリアしていますが、認可保育園・幼稚園では、幼児教育の免許をもつ人が何人必要という厳しい決まりがあるところ、一般的な英語保育の現場では、保育の資格より英語が話せることが優先され、英語が話せて子どもが好きという方や、自身が子育て経験があるという方がプリスクールの現場を支えています。

 私たちは今まで異なった現場で英語保育を行ってきましたが、ここにきて改めて、スタッフの多くが幼児教育への理解があるかどうかということは、子ども達を最善の方法で指導することに欠かせない素質なんだなと、リトルスプラウトの先生方を見ていてその大切さと違いを感じています。リトルスプラウトでは、様々な問題を抱える現場ではなく、ポジティブな言葉や発想が生まれる気持ちのいい現場であり続けるために、スタッフ間の話し合いやコミュニケーションを意識しています。そして、保育面では丁寧に子ども一人一人の個性を伸ばしながら、出来ないところは出来るように根気よく訓練し、間違って身についているところは矯正して、子ども達がこの後の長い人生を、楽しく!幸せに!たくましく!過ごしてもらえることを願いながら、日々スタッフ全員でアイデアを出し合い進化していきたいと思っています。


2017年10月18日水曜日

英語の習得について


 リトルスプラウトは、インターナショナルスクールと日本の保育園・幼稚園のそれぞれの特性をバランス良く兼ね備えた、全く新しいポリシーを持つスクールとして、元町にオープン致しました。私たちが、なぜインターナショナルスクールでもなく、日本の幼児教育でもない、中間のスクールを目指しているのかというと、私たちスタッフが両方の現場で子ども達とその将来を見てきた経験から、どちらのスクールにも良い所と足りないと思う点があり、その後の子ども達の成長に様々な影響を与えていることを目の当たりにしました。そう考えるうちに、両方の良いところをつなぎ合わせることで、より良い環境での保育と教育が実現出来るのではないかと、皆で知恵を絞りこのスクールを設立致しました。

 インターナショナルスクールは、英語の運用が抜群で、国際的な感覚を身につけ、外国人のような考え方や振る舞いが身につくことが良いところです。そして世界を身近に感じ、海外に出ることにも意気込まずに、活躍する舞台は広がることでしょう。
 対して、日本の保育園・幼稚園は、災害緊急時などで世界から賞賛された、日本人特有のマナーと礼儀を含む、素晴らしい幼児教育の理念があり、人間が生きる基本となる心と体の成長を、一人一人丁寧に細かく観察し、保護者と共に安心した健やかな環境を作ることを主にしています。日本に住む子ども達にとっては、日本の社会に合った躾や生活習慣、母国語である日本語で考え、正しく運用する力というのは、必要不可欠なことだと思います。
  


 一方、心配な点というと、インターナショナルスクール生では、将来子ども達が社会に出る頃に、日本の企業で通用する正しい日本語が使えるのか、英語と共にバランス良く学んでいくことは簡単ではありません。また日本人が外国人のような振る舞いをすると、時に違和感や周囲の誤解を受けることもあり、そのことで自分のアイデンティティーに悩む子どももいます。
 
 従来の日本の保育園・幼稚園、日本の義務教育を受けていく場合では、親が意識をしなければ、子ども達が大学や社会に出るころまでに英語での日常会話と読み書きが不自由なく出来るようになるのは難しいでしょう。英語が話せなくても生活は出来ますが、現代はスマホ1つで世界中の情報が手に入る時代です。英語がわかるかわからないかで、得れる情報は何百倍にもなります。そう考えるともちろん選択肢はたくさんある中から選べる方が豊かに生活していけるはずだと思います。

 そのような広い長いスパンで子ども達を取り巻く環境を考えた結果、日本に住むのであれば、日本の言語とマナーを社会に通用するレベルできちんと学ぶ必要があり、英語については、実際に子どもが自立していく大学までに習得することを目標にしたら良いのではと感じます。高校を卒業する頃を目安に、英語に不自由のない読み書きと会話力をつけてあげれば、大学になった時に、海外の大学を目指すことや、日本の外からの情報を得て大人としての考えを磨いていくことにとても役に立つと思います。そう思うと、まだよくわからない年齢から英語がどれだけ出来るということを競って焦るのではなく、本来何を優先させてあげるべきなのかを、少し立ち止まり考えることが大切だということをご家庭で意識していただければと思います。



 日本の義務教育で学べる英語では不十分なため、リトルスプラウトでお預かりしている数年の間、インターナショナルスクールの良いところを取り入れ、ネイティブの先生と毎日を過ごします。海外の文化や考え方、話す言葉や見た目が日本人と違う先生を先生として信頼し学ぶ経験は、子ども達の興味を更に広げてくれます。これは従来の保育園・幼稚園では経験することが出来ない特別な環境です。また、スクールではネイティブにこだわり、英会話が出来る外国人ではなく、正しい文法と発音で英語を話す先生がサポートしてくださるので、何気ない普段の会話を取っても、子ども達はたくさん正しいお手本から学ぶことが出来ます。

 また、教師資格を持つネイティブの先生が教える丁寧なフォニックスはとても効果があるようで、4月から初めて英語を学んだというキンダーの生徒も、英語のコミュニケーション力や本を読む力が付き、私たちもその成長にとても感心しています。先日スクールで行った児童英検では、受験級は異なりましたが、間違えたのは数問だけで、全員が90%以上の正解率という結果でした。

 カリカリ机に向かって勉強するのが、必ず良い勉強方法という訳ではありません。ふとすると、リトルスプラウトでは、よく遊び、そんなに勉強をしていないようにも見えますが、先生方の専門知識と経験をもとに、効率の良い学習環境を作っています。その結果、少しずつ子ども達は学ぶことが楽しいと感じ、自主的に知ろうとする様子が見られるようになり、それと共にぐんぐん伸びる子は伸びていきます。これこそ私たちが、声を大きくして言いたい’ねらい’です。子ども達はのびのび、自信を持って自分を表現するようになり、ひょうきんで可愛らしく、笑顔と笑い声が絶えない姿が私たちの日々の力の源になっています。

 大切なのは勉強だけではありません、まず基本となる子どもの心と体が安定していること、お友達関係や、生活習慣、ご家族の方にもご協力いただき、身につけてもらいたいことはたくさん、たくさん、たくさん、他にもありますが、それはまた別の機会にお話しさせていただきたいと思います。

2017年9月27日水曜日

『discipline(ディサプリン)』=『躾』について


 スクールでは、私や先生方は子ども達の今や少し先だけを見ているのではなく、小学校、中学校・・・大学、そして大人になり社会に出たときに、どんな風に自立して幸せを感じながら生活していってくれるんだろうか・・・と、まだまだ先の長い道のりを想像しながら毎日子ども達と向き合っています。子ども達は、皆それぞれに素晴らしい個性があり、一歩進んでは二歩下がりの時もあれば、急にお兄さんお姉さんになったかのようで驚かされることもあり、人間がリアルに育っているなーと感じ、大変さと同時にやりがいを感じている日々です。



 スクールにおいてのディサプリンは、例えば悪いことをしたときに、年齢に応じて表現や言葉かけが少し変わることはありますが、先生が大声で叱ることや、罰を与えるような方法で躾けるのではなく、出来事が起こったそのタイミングで、落ち着いた声のトーンで真剣なんだという空気を作りながら、何が悪かったのか、どうなったのか、相手の気持ちやどうしたら良かったのかなど、本人が理解できるよう話をしていきます。もちろん、一回で身につく子どもばかりでもなく、何度も同じようなことをくり返すことは日常茶飯事ですが、子ども時代にはその訓練をしている訳ですから、大いに私たちは間違いを受け止め根気よく伝え、感覚を少しずづ学んでいってもらえたらいいと思っています。

 言葉使いについて、スクールに来たばかりの頃は、例えばハサミを取って欲しいときに、ドタバタと走りこんできて『ハサミ-!』と言って、先生に取ってもらおうとすることがありましたが、『何て言うの?、ハサミ取ってください。だよね?』というようなやり取りを何度も繰り返し、今では落ち着いて私のところに来て、『Ms.〇〇、ハサミを取ってください』ときちんと丁寧に文章で思いが伝えれるようになりました。このようなことは、家庭によってはさほど気にならないかもしれませんが、家族には良くても、外の世界では時に失礼で相手に良くないイメージを残してしまうことがあり、注意したいところです。そして子どもの間は、子どもだからで済ませられますが、小学生にもなるといつまでもそれでは本人が損をすることになるはずです。



 その他に、周囲に感謝をすること、物を大切にすることも、当たり前のことですが毎日のスクールの生活で意識をして言葉かけをしています。先日、幼稚園でも学級崩壊という話を聞いてちょっと驚きましたが、小学生になっても、周りに対する敬意や感謝の気持ちが育っていない結果、先生や家族にとても失礼な態度を取ってしまうということがあります。ある意味、だれもそこに意味や価値を持たせて育ててあげなかったのがかわいそうですが、ご家庭でも周りの人の支えや助けがあって、自分たちが日々を過ごせているんだという感謝の気持ちを、常にお話していただきたいと思います。

 考える力では、スクールでは自分たちで考えて行動するということに力を入れています。その結果、あらかじめ子ども達は、自分たちは何と何をするべきかということが頭に入っていて、最近それを自主的にこれをこの順でやろうと、授業を組み立てることが出来るようにもなってきたんですよ!ということを先生が話してくれました。素晴らしい成長だと思います。学びは本来楽しいものです。大人が何かに焦って『やらなければいけない』と押し付けてしまうと、学ぶことへの興味を奪ってしまいます。巷でよく聞くアクティブラーニング。リトルスプラウトでは、その要素がたくさんあるなと改めて感じました。http://learn1107.com/active-learning/
・・・・・アクティブラーニングは「思考力・判断力・表現力」を育成することを目的にしている。「主体性・協働性・多様性」の育成も目的としている。
例えば、小さい頃からグループワークをたくさんこなしていき、協働性を磨くということだ。これがグローバルに活躍する人材の育成に繋がっているわけである。(記事抜粋)

 『躾』について、まだまだ食事や生活習慣についても思いを込めて教育をしていることろですが、その話は長くなるのでまた今度としまして・・・

 リトルスプラウトが元町にオープンしてからの前期、”イングリッシュ・プリスクール”という名であるように、丁寧なフォニックスの授業から学んだことを使いながら、子ども達の毎日の本読みが目に見えて成果を上げてきています。加えてネイティブの先生との信頼関係もしっかり出来てきたところで、子ども達が積極的に先生と英語で会話をしている姿もあり、この半年足らずの期間でもプリスクールという名前にふさわしい英語の成長が見られとても嬉しい限りです。




2017年9月2日土曜日

”センスが良い”



 リトルスプラウトで初めてのサマースクールが終わり、やっと少しブログを書く余裕が出来ました。サマースクールでは、英語を使いテーマから学ぶプログラムを小学生に体験してもらいました。街頭で外国人旅行者に突撃インタビューをしたり、最終週の”Space"では、ペーパーマシェで太陽系を作り、スペースシャトルも一緒に飾りました。


 9月になり、来春からの新入学生徒のご案内を作成するにあたり、2017年のオープンから現在までの活動と写真を振り返っていたのですが、この半年足らずの短い期間にも関わらず、その活動のバラエティーの多さに、運営した自分たちがびっくりしました。そしてそのそれぞれの場面で、子ども達の笑顔がとても良く、心から笑顔になれる環境が作れていることを嬉しく思いました。

 

 私自身の話になりますが、幼稚園選びの時期にいろいろな園に行ったとき、夏の日に園庭で子ども達がパンツ1枚になり、裸足で水を浴びながら走り回っている幼稚園がありました。泥だらけでホースから出る水のアーチをくぐる子ども達のはじける笑顔が印象的でした。結果その幼稚園に子ども達がお世話になったのはもうずいぶん前のことです。  
 その時、園長先生とお話をしましたが、その時点でもう何十年も数えきれない子ども達を育ててきた大変キャリアのある園長先生が、『この時期は土台作りが大事なんですよ』というお話をしてくださったことが私の園選びの決め手になりました。

 土台というのは、”生きるセンス(感性)を磨く”ことだと思います。体力・精神面で安定している状態であったり、自分の事が自立して出来る、言われなくても場を察して行動できる、きちんと挨拶と感謝の気持ちを伝えられる、物事に興味を抱くことや、説明されたことの飲み込みが早い。。。ということは、生きていく為には当たり前で意識することを見落としがちではないかなと感じます。そのようなセンスは、周りの大人がその大切さを知って、そのように仕掛けていかないと自然に身につくものではありません。土台がしっかり出来ていない上に勉強や習い事を一生懸命積み上げても、自分事ではなくやらされているため、物事に興味を持てなかったり、いつも誰かに言ってもらわないと分からない、大人をリスペクト出来ない、うそをついてごまかす、じっくり集中して出来ない、人の話を聞けないなど。。。気になることが見える場合があり、思春期になると親子の信頼関係が崩れてしまう恐れや、それまでの労力が無意味になってしまう危うさがあります。このような要素が大人になっても残っていると、周囲から信頼してチャンスを与えてもらうことが難しくなり、苦労するんだろうなと想像してしまいます。

 子どもに将来どうなって欲しいですか?と質問をすると、幸せになって欲しいと答える方がほとんどです。幸せである為には何が必要でしょうか。安定した仕事に就くことも一つだと思いますが、それ以外にはどうでしょうか。今どんなことを優先させて身につけるべきでしょうか。
子育ては、子どもが社会に出て一人で生きていける力をつけてあげることだと思います。親が力ずくでやらせて言うことを聞くのは小学生くらいまでです。それからは親が見えない時間も増え、家庭以外の世界が広がっていきます。その時、正しく自分で考えて行動出来るか、何かあったときに子どもが親を頼ってくれる関係を築けているかが課題です。子ども達には、たくさん見て、感動して、自分で体験し、失敗して、そこから学びをくり返して、どんなことがあっても生き抜ける”センス”を磨きながら成長していって欲しいなと思います。
 

2017年7月5日水曜日

心を育てる


 リトルスプラウトが元町に開校してからまだ半年も経っていませんが、日々子供たちと接する中で、リトルスプラウトは英語を教えるだけのスクールではなく、子ども達の心の成長を保護者の方々からのコメントをいただき、とても自信と励みになっています。コミュニケーションとしての英語や、ていねいで正しい日本語を使う言語能力はもちろん身についてきている子ども達ですが、何より私たちスタッフが一番大切にしていいることは、子ども達の心が安定して、柔軟な発想が出来る大人になり、社会に出ることまでをイメージして育てていくことです。


 お預かりしている間、2.3.4.5.6歳、年代別に身につけておいて欲しいことを、一人一人細かく先生方は観察をしてくれています。手がかからない子どもも、それが良いかというと自分を出せずに閉じこもっている様子であったり、人一倍慎重な子どもも、先生方はゆっくり待ちながら少しずつ殻から出てこーいと導いてくれています。まずは信頼関係を築いて、殻が割れ子どもらしさを出してくれるようになって欲しいと思いながら、地道に語りかけをしています。子どもは一人一人違います。その子の良いところはそのまま伸ばしてあげ、年齢と成長を考えた上でここが心配だなというところは、矯正しつつ身につくよう忍耐強く働きかけてくれている先生方がいます。

 
 先日先生方と、『失敗体験をたくさんしている子どもはバランスが良い』という話をしていました。『失敗』をするということは、その前にアクションがあり、そのことによって失敗をしている訳ですから、いろんなことを経験したりチャレンジすることが、子どもの成長にとても大切なことだと思います。リトルスプラウトでお預かりする子ども達の年代で言う体験は、ほんとうに生きることの基本中の基本になるような身の回りのことや、まだちいさな世界の中で体験することになりますが、子ども達がワクワクして、やりたい!面白そう!と思ってもらえるようなプログラム作りを先生方と考えていきたいです。




 今日は、『雨の日散策』ということで、雨がちらつく中、レインコートとレインブーツを着て出かけました。台風が去ったあとの公園には大きな水たまりがあり、入りたいけど汚れたら・・と守りに入る子ども達をみて、先生が『さあー今の時間は好きなようにしていいよー!』と声をかけ戸惑いながらも一歩を踏み出すと、最後には思いっきり心を開放して夢中になる姿があったそうです。先生が撮ってくれた写真からそれがとっても伝わりました。このような何にも制限されず表現できる経験はとても価値のある時間です。目で見る、耳で聞く、触って感じる、鼻で感じる、心で感じる。というすべてが、脳への刺激になり、体の機能や子ども達の心をどんどん成長させてくれます。







2017年7月1日土曜日

話を聞いて褒めてあげる


 ”女性、子どもを笑顔にする”をテーマに、スクールのお話を少しさせていただき、それぞれの分野で活躍する方との意見交換を行いました。2時間の予定でしたが、話は尽きず次に移動した場所でもたくさん話しをさせていただきました。0歳~の赤ちゃん保育と執筆をされている方、幼稚園、小学校、中学校、病院の臨床心理士さん、発達支援、特別支援、主婦世代やシニアのサポートまで、人間の一生を網羅するメンバー構成が素晴らしかったです。それぞれのリアルな現場の声を聞けて、学びや気付きがたくさんありました。

 
 自己紹介は、アクティブラーニングを体験する”ヒーローインタビュー”を使って始まりました。2人組で、まず一人が’良かった’、’うまくいった’ことを話し、相手のインタビュアーは、①うなずく、②なるほど、③すごいですねと言うだけで聞くことに徹する。それぞれやってみてどう感じたかということを意見し、理解してもらえる=気分が良くなる=もっと話したくなるを体験しました。頭で考えるのと、口から言葉が出ることと、体感することというのは、全く異なった感覚なんだということは、自分で体験してみないとわからない経験ですね。実はこれは、自分の好きなこと、自分の得意なことは何?を話す練習をしているのですが、子どもの自主性を伸ばすためには、話す(聞いてもらえている)体験と、自分で選ばせる(自己決定)できたことを褒める(自己効力感)を生活の中で意識していくことが大切です。何を着ていく?何を食べる?小さなことでも褒めてあげる。子どもが約束を守れないと相談してきたお母さんに、その約束は誰が決めたかを聞いてみると、お母さんが一方的に決めたということだったりするわけです。子どもが決めることがすべて正解でない場合もあると思いますが、その場合は、この場合はどうだろうねと投げかけ、また子どもに考えさせてみたら良いと思います。


 大学院でゼミのティーチングアシスタントをしていた臨床心理士の方は、学生に’学びたいことは何か’と聞くと、やりたいことがない、何となくこれかなーという声が多く困ったという経験から、説明できる能力がないことを問題定義されていました。それはその子たちが、学校や家庭で自分の考えを述べる経験をさせてもらえなかったり、意見をしたときに周囲から怒られたなど、良い体験をしていないということが背景にあるかもしれないとお話されていました。子どもだけに限らず職場でも、話す場、話してもいいんだよという環境を作ることは大切だと思います


 社会の流れはというと、今までの読み書きそろばんのIQだけを伸ばす学習では通用しないということは周知されていますが、世界で活躍する有識者たちから、日本の変わらない受け身の教育では若者がかわいそうだという声が上がり、この1.2年でムーブメントが起きたとのことです。それを受け、文部科学省では、大学の受験基準を、コミュニケーション能力、プレゼン能力、他者を重んじる能力、論理的な能力を求めるものに変えていくことが動き出しています。そのような力というのは、すぐに身につくものではないので、小さい時からの家庭や教育現場での働きかけが必要になります。しかし、文科省、教育委員会から’アクティブラーニング’をやりなさいと言われても、現場の先生方はとても困惑していると現役中学校の先生が大きく頷かれていたのが印象的でした。ここでもやはり子どもの貧困やネグレクトが話題に上がり悲しかったのですが、現場では表に出ていない問題が山積しているそうです。行政は、なぜかやることが遅くぎこちない感が否めません。待っている間にも子どもはどんどん大きくなるので、やはり個人が情報収集して自分の力で子どもを導いてあげる努力をしなければいけないと思います。


 他には家事マイスターという方もおられ、家事がスムーズにいくと、家庭が笑顔になるんですよとお話されていました。互いに褒める、お母さんも褒める、誰も褒めてくれなかったら自分で褒める(笑)お母さんが笑顔であることが、家庭の笑顔につながります。これもまた違う視点で大切なことだと思います。
 大人になってから問題が表面に現れ、臨床心理士の医療的な助けが必要になる人もいます、その以前には学校の教育現場があり、そのもっと前に私たちのスクールのような幼児教育の現場があり、そして家庭はずっと子どもたちにとって一番関わりの深い場所です。子どもを取り巻く私たち一人ひとりが、何が生きることにおいて大切なことなのかということを見落とさないで、子どもたちに寄り添い導いていける価値観をもっていかなければいけないなと感じました。
新しい方々との出会いはいつも学びで面白いです。なんとか、たくさん話した交流会の内容がまとめられました。あーよかった(笑)

2017年6月23日金曜日


環境に配慮した暮らしを実践できる子どもを育てる


 外は日差しがどんどん強くなっていますが、リトルスプラウトのキンダーさんは、毎日のパークタイムの時間も、同じ場所で同じ遊びをするのではなく、メリケンパークで水遊びや、芝生で走り回ったり、船を見たり。遠出をする日はハーバーランドや、六甲山のふもとまで歩いたり、市役所の上から神戸の景色を眺めるなど、街中だからこその様々なチョイスがあり、子ども達にも見せてあげれるものがたくさんあって、とても幸せなことだと思います。




 そんな日常で、私達が子ども達に知って欲しいと思うことの一つは、人間も自然の大きなつながりの中で生きているということです。自然や環境に対する無関心、無理解が、無責任な行動になり、環境を傷つけ、まわりまわって未来の私達に影響を及ぼします。

 先日は、チャリティーを体験してもらうため、いつも遊ぶ公園が気持ちよくきれいになるように、どこの誰かが捨てたゴミを拾ってもらいながら、皆で捨てることはどうなんだという事を考えました。



 毎日の給食では、スクール開校から好き嫌い、食べず嫌いになかなか苦労しているところなのですが、一つの食事を作るために、生き物の命の存在があり、野菜を育ててくれた農家の方、おいしいお料理にしてくれた栄養士さんなど、たくさんの人の力でこの食事が出来ているんだということを、良く先生が子ども達に話しています。スナック菓子やレトルト食品の化学調味料の味に舌が慣れてしまうと、素朴な味付けや素材の味が分からなくなり、本来子ども達の心や体を作ってくれる栄養のあるものを美味しいと感じられずに箸が進まないのを見ると、心配だなあーと思う日々です。

個性もぞれぞれ、一筋縄ではいきませんが、私達がたくさんある内の一つの願いは、かけがえのない自然に感謝して、優しく配慮しながら生活していける人になってもらいたいなということです。

2017年6月2日金曜日

6月になりました!


新しいお友達が日々増えて、リトルスプラウトもどんどん賑やかになってきています。それぞれいろんな性格と個性が可愛らしくて、私達もお預かりする時間を楽しませてもらっています。
リトルスプラウトはまだ新しいスクールですが、英語や日本語などの言語、生活面、心の安定、すべてにおいて子ども達の日々の成長が見られ、保護者の方からコメントをいただくことが、とても嬉しく励みになっています。



ナーサリーさんでは、ほとんどの生徒が初めてご家庭から離れて過ごすという中で、はじめは泣いて落ち着かなかったのも、個人差がありますが1週間もすれば泣き止んでくれ、スクールで笑顔で過ごせるようになっています。今日の英語レッスンも椅子に座って参加出来ました。朝のつどいではキンダーさんを見て、歌や詩の暗唱を真似してくれたり、公園の時間も並んで電車ごっこをしながら、しっかり歩いてくれるようになりました。成長です。
ナーサリーさんは、トイレトレーニングや、ズボンや靴の脱ぎ着、給食の準備などを自分でするという練習を毎日繰り返して行います。先生が手を出すと簡単なものも、自分で出来るようにと一人一人教えていくことは、ほんとうに忍耐と時間のかかる作業なのですが、先生たちは日々丁寧にサポートしてくださっていて、数ヶ月後、来年の子ども達に大きく変わっていくことを期待しています。


キンダーさんでは、この数ヶ月でそれぞれがスクールに来て自分らしく過ごしている姿を見るととても嬉しく思います。精神が落ち着き、言葉が丁寧になり、お友達に対する気配りが出来るようになってきました。まだまだ課題は山盛りですが、目には見えない心の成長をスタッフが皆感じて喜んでいます。
それと共に、自分に自信が持てるようになったからか英語での発言も増え、話す相手により日本語と英語を使い分けてスクールでは生活をしています。




リトルスプラウトでは、言語はあくまでもコミュニケーションのツールであり、それ以上に大切なことというのは、どのような場面でも対応できる広い経験や知識、何を求められているかを察する能力であったり、社会で恥ずかしくないような丁寧な立ち居振る舞いが出来ることだと思っています。それに体力、忍耐力も。。子ども達がこれから成長し、小学生、中学高校、大学、そして大人になったときのことを想像して、私達がお手伝い出来ることをしてあげたいと思っています。

スクールの環境も教室が拡大し、より快適に過ごすことが出来るようになりました。また、たくさんのご縁があり、志の高い先生やスタッフ、関係者の方々の思いがスクールをより良いものにしてくださっているなーと感じ、心より感謝しています。

これからも、どんどん皆さんとアイデアを出し合いながら、子ども達を観察して、刺激していく環境を作っていきたいと思います。



2017年5月30日火曜日

当たり前のことが出来るように


人に出会ったときに挨拶をする。何かをしてもらったら「ありがとう」と感謝する。電車でお年寄りに席を譲る。困ってる人がいたら自分に出来ることはないか考える。目上の人には敬語を使う。。。

当たり前の事なのに、出来ない人がどれだけ世の中にたくさんいることでしょう。

そんな話題がスタッフから出たので一言。

アルバイト先では、サービス業なのに暇になると、何か掃除や片付けなど自分にできることは無いかと探す前に、携帯を出して見る。

コンビニでお金を払う時に、イヤフォンをつけたままなので、お店の人が袋がいるかと聞いていることが聞こえない。

払う時にお金を投げる。くじ引きでタダで当たったものに対して、「しょーもなっ、他のに替えてくれない?」とコメントする。

あるあるですが、どの人の親もこんな風になることは望んではいなかったと思います。

何が足りなかったのでしょうか。。。
どこから間違ったのでしょうか。。。


別の日には、凶悪な事件がスタッフの中で話題に上がり、子ども達のこれから長い人生の中で、どんな良いこと悪いことが起こるかは私達にもわからない中で、例えば、本当に想像を超える最悪な状況になり、自身が追い込まれたときに、命に関わる間違った行動を取らないように、そこから方向転換して前に進める力を持った人になって欲しいと、大げさかもしれませんが、そうだねと共有し合いました。

何が大事かというと、自分はたくさんの人に支えられて生きているということ。生きていく上での本質をきちんと認識させていくことが、とても大切なんだと思っています。

そして子どもは親を選べません。放任すぎても過剰にかわいがりすぎるのも、子どもは後でしんどい思いをするでしょう。幼児期、小学校低学年までは、親の価値観や与える環境が、子どもにとってのほぼすべての世界です。子どもに広い世界を見て欲しい、たくさん知識を得て欲しいと思うのであれば、親も常に視野を広げて成長する背中を見せることが必要でしょう。

スクールでお預かりしている数年の間は、ご父兄と共に楽しみ学びながら、子ども達の末長い人生が喜ばしいものになるよう、お手伝いをさせていただきたいと思います。





自主性を伸ばす環境

スクールでは、15:00に一旦さようならの会をして、その後は、デモクラティック教育を行います。デモクラティック教育の時間は、スタッフはあえて設定保育を行わず安全面に配慮するだけで、子ども達はスクール内の施設や道具を使い、自分のやりたい事を本能のままにやりたいだけ行い自由に過ごします。
今日は、なぜか皆ならんでライティングの練習をしていました。先生がやりなさいと言った訳でもなく、先生の横に座りお仕事の真似をしています。やることを常に与えられたり、やらなければいけないと強制される環境では、自主的に行動することや、学ぶことは楽しいんだと感じる気持ちを育てることは難しくなります。スクールでは、少しずつ先生の手を離れて、自分の力で一日を作っていく姿もたくさん見られるようになり、成長したなーと感じています。


スタッフ同士もコミュニケーションを取り、「この子はこんなことが出来るようになった」、「この子はこうゆうことが得意だね」と話しをするのですが、自分が見ている印象と、他のスタッフが感じている事が、必ずしも一致しない場合もあり、そこでまた新しい考えを吹き込んでくれ、「ああ、そういう見方もあるのか」と学ばせてもらうことが良くあります。スタッフもそれぞれ慎重に子ども達を観察し、今どうしてあげたら良いのかと考え向き合ってくれていることを、頼もしく感じます。

学びと言えば、スクールは街中にありながら、自然と触れ合いながら学ぶ機会を多く取り入れています。公園でも木登りをしたり、シロツメクサの冠を作ったり、身近な自然から、田舎での郊外活動など本格的な自然まで、どのように自然教育を保育に取り入れていけるか日々チャレンジをしています。先日からいつも水遊びをする場所に、メダカが居たので子ども達で捕獲して(注:水がもう干上がりそうだったため救済とも言えるはず)、教室で観察するようにしました。お家でカブトムシの幼虫を飼っていたお友達が一日スクールの友達に見せてくれたこともありました。そんな子ども達の刺激になるチャンスは、歓迎して柔軟に取り入れていきたいと思います。


2017年5月25日木曜日


神戸の港があそび場


昨日は雨、今朝も雨で、室内遊びをする予定でしたが、お昼を過ぎて窓から太陽の日差しが見えてきたので、パークタイムには外に出かけることにしました。いつも遊んでいるメリケンパークですが、毎日外国から来たお客様がたくさんで、子ども達に笑顔で手を振ってくれたりします。週末に近くなると、制服を着た郊外学習の中学生、高校生がたくさん歩いています。子ども達に、『どこから来たんだろうね?』、『聞いてみようか?』と相談しながら、子ども達の身近な存在であるスクールの近くを通り過ぎる人たちは、どんなところから来た人達なのか、そんなところから興味を持ってもらうことで、子ども達の世界が少し広がればいいなと思っています。


今日は、噴水の前の石畳で鬼ごっこ遊び。走り回って汗をかきました。




何気ない、毎日の公園も観光しているかのよう(笑)ボート型のベンチで船に乗った気分。



子どもの自信とやる気を出す教育


朝タイムラインに、フォローさせていただいている、本間正人先生(京都造形芸術大学副学長・創造学習センター長)が、インタビューを受けた際の記事が上がっていましたので、ご紹介したいと思います。

”子どものやる気を引き出す言葉と親の態度”

良く言いがちな、”宿題をやりなさい”、ではなく ”一緒にするよ” という言葉かけの方が、能動性を育てるんだなと、私を含め改めて心がけたいと思いました。インタビューの最後にもありますが、子どもには無限の可能性があって、何だろう?何でだろう?という興味は、本来すべての子どもが持ち合わせる資質です。スクールは、子ども達が興味を持って、自ら知りたい、聞いてみたいという心を大切にしています。ワクワクエキサイトしている子ども達は、無限の吸収力があります。そしてその興味を出来るだけたくさん長く生涯持って生きていって欲しいなと思っています。

母国語である、日本語の学習では”思考力”を伸ばしています。何を言うのか、何を伝えたいのかを自分の頭で考え、皆の前で発言をする練習をしています。皆の前に立って、自己紹介をすること。前に立っている人に『それはどうしてですか?』と質問をする。まだ、子ども達は『どうしてですか?』と同じような言葉を繰り返すだけが多いですが、『どうして〇〇と思うのですか?』など、少しずつ具体的な表現が出来るようになってくると、また良いなと思います。思考力を日本語で育てることは、その力を使って英語でも文章を作り、コミュニケーションをとっていけることに深く関係しています。最近では、子ども達も自信を持って、英語でも日本語でも発言できるようになってきたので、嬉しいです。



2017年5月17日水曜日

子どもの将来



『将来、子どもにどんな風になってもらいたいですか?』と聞かれると、『幸せになってほしい』と、ほとんどの親が願うのではないでしょうか。

では、『幸せ』とは何でしょうか。笑顔で過ごせる。家族が仲良し。お金に困らない。やりたいことを仕事にしている。。。どんなことが浮かぶでしょうか?

どの場面を想像しても、将来の『幸せ』に大切なことはきっと同じで、自分らしくあることや、起こったことを受け入れて前に進む力があれば、幸せな人生を作っていける人になれると思います。シンプルに『幸せ』と言いながらも、大人の方が焦って過剰な習い事や勉強をさせているときには、子ども達の将来の『幸せ』とは違う方向を向いているのではないかなと感じる時もあったりですが、子ども達が自分らしくあるためには、自分に自信を持ち、他人と違っても良いし、人の違いを受け入れることや、知らないことや新しいことに飛び込むことを恐れない環境を作ってあげることが大切だと思います。

『幸せ』というのは、物事の考え方や行動で大いに変わるもので、同じ出来事でも、考え方ひとつで、良くも悪くにも受け取り方を変えることが出来ます。子ども達には良い方向に頭を切り替えれる力を持って欲しいですね。

スクールでは、英語や日本語の言語ツール、その他の教科、外に出かけて見たり感じたりすることから学ぶ実体験や、広い視野を持ってもらうための学びを意識してレッスンに取り入れています。
生活面では、自分のことが自分で出来るよう、登下校の身支度や、レッスンの準備、給食の配膳やお当番などの役割で、少しずつ出来ることが増え、自立できるようにチャレンジする工夫がたくさんあります。

ひとりひとりご家庭での環境や、親との関わり方が異なる為、同じ年齢でも出来ること、出来ないことは様々です。スクールでは、子ども達が近い将来、そして遠い将来に『幸せ』な気持ちで社会で生きていけるよう、足りないところを見つけて軌道修正しながら、学習面、生活面、精神面でバランスの良い基礎を作る手助けをさせていただくことに取り組んでいます。

開校からお預かりしている子ども達も、ずいぶんと変化がありました。消極的。好き嫌いが激しい。わがまま。意地悪を言う。騒ぐ。体力が無い。間違いを怖がる。興味が薄い。感情を出さない。など様々。それもスタッフや先生方は、一人一人観察し改善していけるように、日々声掛けや工夫をしながら指導しています。良く出来た時は皆で拍手をして喜びます。その繰り返しをする中で、最近では本当に互いに優しい気持ちが育ち、先回りした行動が出来るようになってきていて、私達もやりがいが有りとても嬉しいです。

リトルスプラウトでは、プリスクールとして英語を身に付けることだけが大切ではなく、生きる為、魅力的な人間になるために大切なことは他にもたくさんあり、幸せな人を育てるスクールとして日々子ども達に何をしてあげれるのか、熱い思いで取り組んでいます。


2017年5月15日月曜日


ピーピー豆


とある日のパークタイム。数人が集まってピーピー豆を探していました。きっと他の先生に教えてもらったのか、葉っぱをどうにかして、吹くと『ピーピー』と音がなるんだそう。それを他のお友達に実践して見せているのですが、その口調がしっかりしているなーと感心。というのも、出会ったときには聞こえるか聞こえないかの心細い声で話していた子が、自信をもって説明する姿。成長したな~と嬉しく見ていました。



みんな集まって、興味津々お友達の話を聞いています。(ピーピー豆の中には小さな豆が!)



街中の公園でも、小さな自然が生き生きと育まれています。時に公園で走り回るだけではなく、身近な自然を観察して、そこからたくさんのなんだろう?を学ばせてもらっています。




先生たちの苦悩(笑)


ゴールデンウィークなどの連休明けや、週明けの様子。子どもたちはそれぞれお家で大好きなご家族と過ごして自由に過ごしたんだろうなーと嬉しい反面、なかなかスクールのスイッチが入らず、先生たちには、お休み前に出来上がっていた空気も、何歩か下がってまたスタートする苦悩です(笑)人間を育てるというのは、本当に進んでは戻り、進んでは戻りで、忍耐が必要だなーとひしひし感じる日々です。


スクールでは、子どもたちが年齢に応じて、身体的、精神的に自立することを大切に指導しています。子どもたち自身が一日のスケジュールを把握して、先生に言われなくても時間になると自主的に教室を移動したり、準備が出来るよう工夫した保育をしています。精神面では、先生やお友達に対する話し方や、問題が起こったときに、”じゃあどうしたら良かったのかな?”と、自分たちの力で答えを導くように話をしていきます。必ずしもいつもパーフェクトに出来る訳ではありませんが、繰り返し語りかけることで、少しずつ確実に成長が見られ、お預かりしている日数が長い生徒ほど、精神が安定して他に対する思いやりや、自信が生まれていることを実感しています。



5月に入り、スクールでの15時以降の様子は、日を追うごとに賑やかになっています。小さいナーサリーさんには、ちょっとした仕掛けを作ってあげ、ひたすら黙々と何か頭で考えながらあれこれやってみている様子が可愛らしく面白いです。ただの筒と梱包材も、筒からポトンと落としたりして試してるんだなと思ったら、キンダーさんがやってきて、こんどはパン屋さんだと、トングやトレーを設置し始め、同じものでも違う遊びをする想像力が面白いなーと、私達も様子を観察しています。


保護者の方もやってきて、神戸まつりの衣装をワイワイお話しながら作ってくれています。スクールにとって、子どもたちだけなく、保護者も気兼ねなく集まったり、先生や保護者同士、相談できる場所として使ってもらえることはとても光栄です。


今日はお洗濯日和です(笑)紙やカバン座布団まで、大胆にいろんなものがロープに干されています。ナーサリーさんには、この洗濯バサミの使い方がまだいまいち難しいようで、試行錯誤して、また失敗して指をはさんでしまったり、こうゆう些細なことも学びと訓練ですね。


👆梱包材の吹雪を自分に浴びせて遊んでいます。顔がしわくちゃですごい(笑)
子どもたちはそれぞれとてもユニークです。おしゃれが好きな子、絵や色を塗るのがとにかく好きな子、おままごとが好きな子、なぜか長い棒にばかり興味を示す子(笑)それぞれひとりひとり、好きなことや個性を伸ばす時間です。






2017年5月8日月曜日

先生のこだわり


教師としての資格を持ち、教える事にプロである先生方は、プリントやフラッシュカードなど既製品の教材に頼りすぎず、自分たちで教材を作るんだなと開校から感心しています。年齢に応じて飽きないように、適度にジェスチャーなど体を使いながら指導してくれるので、教室から子ども達の活気ある声がいつも聞こえてきます。教材は手作り感満載ですが、レッスンの合間に黙々と切ったり張ったり、ノートにあれこれ書き留めたりしている姿を見かけ、先生の愛がこもっています。



また、語りかけや子どもとの関わり方も絶妙だなと感じます。5月7日(日)の神戸新聞に、神戸親和女子大発達教育学部教授であった、勝木洋子先生の記事がありました。『子どもはふれあいの中から言葉を学びます。複数の言語を身につけさせようと、乳児期からテレビの前に座らせ、いろんな言葉を聞かせていても、話し出したときにはどの言語も上手に話せなくなっていたということ。まずは母語を大切に。絵本を読んだり、歌を歌ったりして、たくさん語りかけることが、英語の習得を助けることにもつながるでしょう』と書いてありました。



日本においての英語プリスクールでは、英語が話せて、子どもが好きだからということで、現場で働く外国人の方がたくさんいますが、英語が話せるという程度も様々であり、子どもが好きと言っても、子どもの発言や変化にどれだけ興味を持って関われるかという事はまた別の話で、なかなか関わり方や語りかけがぎこちないと感じる場合もあります。
また、スクールに面接にくる先生方から、どうして前職を退職した(したい)のかと質問をすると、スクールによってはきちんとした教育のカリキュラムがない、教材が足りない、改善したい点を言おうにも上司が時間を作ってくれない、指導するトレーナーとの相性が合わないなど、苦情を聞くこともしばしばです・・・・・。ただビザの為、お金の為だけという先生は、モチベーションも低く問題外ですが・・そういう人も、子どもの保育や教育に携わる場合があり、その場合ちゃんと見てくれるのか安全面が心配になります。どの現場でも同じだと思いますが、プリスクールでも人材とクオリティーの維持が、大変であり、継続して取り組む課題だと思います。

 

こちらは、午後からの小学生向けアフタークラスの教材です。その日に練習する文法を使った文例を、(なんと!)手書きで作り、一枚一枚ケースに入れ替えて毎回手作りしてくれています。



アフタークラスは、初級、中級、中上級、上級と4クラスくらいに分かれますが、上級クラスの読むことがとても上手な子どもたちも、会話になると簡単な過去形さえ自然に口から出ない現状があり、読めるのに話す動詞がすべて現在形というアンバランスを打破するべく、ゲームなどで競いながら動詞を変化させ、文章を作る練習をしてくれています。





『子どもがクリエイティブに育つ街、神戸』


先日、神戸市が主催の”『子どもがクリエイティブに育つ街、神戸』を考える”という、ワークショップに参加してみました。クリエイティブな子どもってどんな子?街でどんなことが出来るのか?をテーマに、年齢や経験も違う方々とアイデアを出し、考えてみました。


クリエイティブという言葉は教育現場でも良く耳にしますが、時代が変化するスピードがどんどん速くなっていると感じる世の中で、子ども達が変化に負け人生を諦めるのではなく、笑顔で幸せに生きれる時間が長くあって欲しいと誰もが子どもに望んでいます。では、どんな力を子どもに身につけてあげるべきなのかと考えると、変化に対応出来る力ではないかなと思います。どんなことが起こっても方向を変えれる柔軟さや、そこからどうするべきかアイデアが浮かぶ発想力、頭に浮かんだことを現実のものにしていく知識と行動力があれば、子どもが将来一人社会に出てもたくましく生きていけるのではないでしょうか。


皆さんと話しをしていて、『あ、そうだ』と思ったのですが、たくさんの経験とチャレンジをさせてみることでたくさん失敗もするし、それが失敗体験となり次にどうするかを学ぶことが出来ます。そうすると次は上手く出来ることで、それが出来たなという成功体験と自信になります。自信を積み重ねた子は、チャレンジをすることを恐れず行動し、また失敗を重ね・・・・と、それが良い成長のスパイラルになるのではないでしょうか。新しい世界に飛び込むことを恐れない子は、どんどん見る世界も広がり、思考もより深くなります。様々な経験をした子どもは、面白いので周りから興味を持たれ、人が寄ってくるようにもなるでしょう。そして集まって来た人たちから与えられ得るものが、またその子をさらに成長させてくれるはずです。素晴らしい! 私達のスクールの方針、”愛される人というのは、よりたくさんのチャンスと幸せを得ることができる”というのは、このあたりを目指している訳です。


ワークショップでは、同伴した子どもたちが紙皿やコップを使った遊びをしていました。スクールでも毎日15時半からのデモクラティック教育の時間に、廃材として捨てるものから自由にクリエーションして遊びを生む子ども達の姿があります。その時間にいるスクールの子ども達は毎日それが出来る環境を作っています。はじめは遊び方もわからない様子でしたが、やっと大人が関わらずに子ども達の世界で遊べるようになりました。しかし、まだまだもっと私たちを驚かせてくれるような、大胆な発想が生まれる日を密かに私は楽しみにしています。
スクールでは、もともと子どもが本来持っているクリエイティブさをつぶさないよう、それまでの環境で閉じ込められてしまった子には殻から出てこーい!と先生やスタッフがいろんな仕掛けを日々考えて工夫しています。スクール開校から短期間ですが、子どもたちの行動や発言が変わり、その効果が目に見えていることに私達も日々嬉しく感じています。



2017年4月27日木曜日

先日、篠山にある”インターナショナルデモクラティックスクール 豆の木”さんにお邪魔させていただきました。
デモクラティックスクールというのは、子どもたちが、自分たちで何をするのかを考え、思うまま自由に1日を過ごすスクールです。広い敷地には、様々な学びの可能性が無限にあり、大人が何をしようと決めて与えるのではなく、想像力をフルに働かせて自主的に活動する環境は、ある意味とても贅沢だと感じました。


敷地の中には池があり、美しい羽根色のカモやアヒルが居ました。近寄ると餌をもらえると思ったのか、陸に上がってきてくれ、人なつっこいです。今月に入り、温かくなったので子どもたちは突然池に飛び込みを始めたそうです。(ライフガードのお兄さんも池に飛び込んで万が一に備えます)今週は、船を作る!と言って木の板を金づちでトンカチして子どもが作っていましたが、自作した船に乗って池に浮かび漕いでいる姿が紹介されていました。



週末に出会った子どもたちは、裸足にパンツ姿になり、若干3歳ながらトランポリンでバク転をしようと試みるたくましさ(笑)きっとどんな所でも自分の道を切り開いていけるような眼差しがありました。
あれがダメ、これがダメと自由に遊ぶ場所さえ見つけるのが難しい街の子どもたちは、完全にこの点は負け。豆の木さんには、楽器もいろんな珍しい種類がそろっています。アメリカ人の奥様が音楽家だそうです。これもまた、使いたければなんでも使ってやってみていいという贅沢。



リトルスプラウトは、元町の街中ですが、往復1時間を歩いて諏訪山公園に行ったり、自然の中での学びや経験をどんどん取り入れていきたいと思っています。スクールの子どもだけでなく、ご父兄にもカルチャーショックがあるかもしれないと思いつつ、豆の木さんでの1日を子どもたちに体験させてあげたいです。そして、こうでないといけないという殻をやぶってくれたら嬉しいです。





ナーサリーさんの成長


ナーサリーさんは、目まぐるしく成長が見られ、毎日の朝の集いでは、キンダーさんの真似をして、椅子に座り、元気よく手をあげてご挨拶が出来るようになりました。リズム感覚の練習では、キンダーさんのカスタネットに合わせて、シャカシャカ音のなる手作りシェイカーを上手に振れるようになり、先生がピアノをたくさん使うので、音を聞くと体を上下に揺らして、音楽にノリノリな姿がとても愛らしいです。


今週のワークタイムでは、シールをペタペタ貼り、鯉のぼりを作ったり、簡単な折り紙を先生が一緒にしてくれました。朝の集いでは、季節の歌で、『春の歌』や、『鯉のぼり』の歌も歌っています。



デモクラティック教育の時間に、水遊びにはまっているナーサリーさんがいました。はじめはジャージャー水を出していましたが、少し小物を使い何かに入れてあげたら、それからは、黙々と水が流れる様子をあれこれ試していました。このようなことも、感覚が情報として子どもの脳に伝わっている大切な時間です。ご家庭でも、じっくりあれこれ試している時間を大切にしてあげてください。


スクールの外国人の先生たちは、英語のレッスンだけでなく、一緒に遊んだり、絵本の読み聞かせをしてくれます。ナーサリーさんも、積極的に参加し、英語が出てくるようになりました。ナーサリーの年代で一番大切なことは、お母さんやお家から離れた環境で、まず子ども達が先生を信頼し安心して1日を過ごすことが出来ることです。そして次に服を脱ぎ着したり、片付けたり、すこしずつ出来る事が増え、キンダーさんになる準備をしていきます。トイレも真似をして座れるようになってきました。お預かりしてから1ヶ月も経たずに、笑顔が出て、他の子どもや先生を認識し、社交的になっていく姿がとてもうれしいです。