2017年9月27日水曜日

『discipline(ディサプリン)』=『躾』について


 スクールでは、私や先生方は子ども達の今や少し先だけを見ているのではなく、小学校、中学校・・・大学、そして大人になり社会に出たときに、どんな風に自立して幸せを感じながら生活していってくれるんだろうか・・・と、まだまだ先の長い道のりを想像しながら毎日子ども達と向き合っています。子ども達は、皆それぞれに素晴らしい個性があり、一歩進んでは二歩下がりの時もあれば、急にお兄さんお姉さんになったかのようで驚かされることもあり、人間がリアルに育っているなーと感じ、大変さと同時にやりがいを感じている日々です。



 スクールにおいてのディサプリンは、例えば悪いことをしたときに、年齢に応じて表現や言葉かけが少し変わることはありますが、先生が大声で叱ることや、罰を与えるような方法で躾けるのではなく、出来事が起こったそのタイミングで、落ち着いた声のトーンで真剣なんだという空気を作りながら、何が悪かったのか、どうなったのか、相手の気持ちやどうしたら良かったのかなど、本人が理解できるよう話をしていきます。もちろん、一回で身につく子どもばかりでもなく、何度も同じようなことをくり返すことは日常茶飯事ですが、子ども時代にはその訓練をしている訳ですから、大いに私たちは間違いを受け止め根気よく伝え、感覚を少しずづ学んでいってもらえたらいいと思っています。

 言葉使いについて、スクールに来たばかりの頃は、例えばハサミを取って欲しいときに、ドタバタと走りこんできて『ハサミ-!』と言って、先生に取ってもらおうとすることがありましたが、『何て言うの?、ハサミ取ってください。だよね?』というようなやり取りを何度も繰り返し、今では落ち着いて私のところに来て、『Ms.〇〇、ハサミを取ってください』ときちんと丁寧に文章で思いが伝えれるようになりました。このようなことは、家庭によってはさほど気にならないかもしれませんが、家族には良くても、外の世界では時に失礼で相手に良くないイメージを残してしまうことがあり、注意したいところです。そして子どもの間は、子どもだからで済ませられますが、小学生にもなるといつまでもそれでは本人が損をすることになるはずです。



 その他に、周囲に感謝をすること、物を大切にすることも、当たり前のことですが毎日のスクールの生活で意識をして言葉かけをしています。先日、幼稚園でも学級崩壊という話を聞いてちょっと驚きましたが、小学生になっても、周りに対する敬意や感謝の気持ちが育っていない結果、先生や家族にとても失礼な態度を取ってしまうということがあります。ある意味、だれもそこに意味や価値を持たせて育ててあげなかったのがかわいそうですが、ご家庭でも周りの人の支えや助けがあって、自分たちが日々を過ごせているんだという感謝の気持ちを、常にお話していただきたいと思います。

 考える力では、スクールでは自分たちで考えて行動するということに力を入れています。その結果、あらかじめ子ども達は、自分たちは何と何をするべきかということが頭に入っていて、最近それを自主的にこれをこの順でやろうと、授業を組み立てることが出来るようにもなってきたんですよ!ということを先生が話してくれました。素晴らしい成長だと思います。学びは本来楽しいものです。大人が何かに焦って『やらなければいけない』と押し付けてしまうと、学ぶことへの興味を奪ってしまいます。巷でよく聞くアクティブラーニング。リトルスプラウトでは、その要素がたくさんあるなと改めて感じました。http://learn1107.com/active-learning/
・・・・・アクティブラーニングは「思考力・判断力・表現力」を育成することを目的にしている。「主体性・協働性・多様性」の育成も目的としている。
例えば、小さい頃からグループワークをたくさんこなしていき、協働性を磨くということだ。これがグローバルに活躍する人材の育成に繋がっているわけである。(記事抜粋)

 『躾』について、まだまだ食事や生活習慣についても思いを込めて教育をしていることろですが、その話は長くなるのでまた今度としまして・・・

 リトルスプラウトが元町にオープンしてからの前期、”イングリッシュ・プリスクール”という名であるように、丁寧なフォニックスの授業から学んだことを使いながら、子ども達の毎日の本読みが目に見えて成果を上げてきています。加えてネイティブの先生との信頼関係もしっかり出来てきたところで、子ども達が積極的に先生と英語で会話をしている姿もあり、この半年足らずの期間でもプリスクールという名前にふさわしい英語の成長が見られとても嬉しい限りです。




2017年9月2日土曜日

”センスが良い”



 リトルスプラウトで初めてのサマースクールが終わり、やっと少しブログを書く余裕が出来ました。サマースクールでは、英語を使いテーマから学ぶプログラムを小学生に体験してもらいました。街頭で外国人旅行者に突撃インタビューをしたり、最終週の”Space"では、ペーパーマシェで太陽系を作り、スペースシャトルも一緒に飾りました。


 9月になり、来春からの新入学生徒のご案内を作成するにあたり、2017年のオープンから現在までの活動と写真を振り返っていたのですが、この半年足らずの短い期間にも関わらず、その活動のバラエティーの多さに、運営した自分たちがびっくりしました。そしてそのそれぞれの場面で、子ども達の笑顔がとても良く、心から笑顔になれる環境が作れていることを嬉しく思いました。

 

 私自身の話になりますが、幼稚園選びの時期にいろいろな園に行ったとき、夏の日に園庭で子ども達がパンツ1枚になり、裸足で水を浴びながら走り回っている幼稚園がありました。泥だらけでホースから出る水のアーチをくぐる子ども達のはじける笑顔が印象的でした。結果その幼稚園に子ども達がお世話になったのはもうずいぶん前のことです。  
 その時、園長先生とお話をしましたが、その時点でもう何十年も数えきれない子ども達を育ててきた大変キャリアのある園長先生が、『この時期は土台作りが大事なんですよ』というお話をしてくださったことが私の園選びの決め手になりました。

 土台というのは、”生きるセンス(感性)を磨く”ことだと思います。体力・精神面で安定している状態であったり、自分の事が自立して出来る、言われなくても場を察して行動できる、きちんと挨拶と感謝の気持ちを伝えられる、物事に興味を抱くことや、説明されたことの飲み込みが早い。。。ということは、生きていく為には当たり前で意識することを見落としがちではないかなと感じます。そのようなセンスは、周りの大人がその大切さを知って、そのように仕掛けていかないと自然に身につくものではありません。土台がしっかり出来ていない上に勉強や習い事を一生懸命積み上げても、自分事ではなくやらされているため、物事に興味を持てなかったり、いつも誰かに言ってもらわないと分からない、大人をリスペクト出来ない、うそをついてごまかす、じっくり集中して出来ない、人の話を聞けないなど。。。気になることが見える場合があり、思春期になると親子の信頼関係が崩れてしまう恐れや、それまでの労力が無意味になってしまう危うさがあります。このような要素が大人になっても残っていると、周囲から信頼してチャンスを与えてもらうことが難しくなり、苦労するんだろうなと想像してしまいます。

 子どもに将来どうなって欲しいですか?と質問をすると、幸せになって欲しいと答える方がほとんどです。幸せである為には何が必要でしょうか。安定した仕事に就くことも一つだと思いますが、それ以外にはどうでしょうか。今どんなことを優先させて身につけるべきでしょうか。
子育ては、子どもが社会に出て一人で生きていける力をつけてあげることだと思います。親が力ずくでやらせて言うことを聞くのは小学生くらいまでです。それからは親が見えない時間も増え、家庭以外の世界が広がっていきます。その時、正しく自分で考えて行動出来るか、何かあったときに子どもが親を頼ってくれる関係を築けているかが課題です。子ども達には、たくさん見て、感動して、自分で体験し、失敗して、そこから学びをくり返して、どんなことがあっても生き抜ける”センス”を磨きながら成長していって欲しいなと思います。