2019年6月14日金曜日


6月の近況と思うこと


 4月から新しい学年がスタートし、はや2ヶ月半が経とうとしています。初めてスクールに来たお友達も、随分とスクールの生活に慣れてその子らしさをのびのび表現してくれるようになり、私たちも楽しい毎日を過ごさせてもらっています。

 6月は、保護者の方との個人面談を順番に行っています。その報告を聞かせてもらうと、リトルスプラウトは英語プリスクールでありながら、目には見えにくい子ども達の内面を日々の言動からよく観察して、先生方が細かく必要な個所は軌道修正をしてくださっているんだなと、その仕事ぶりを見てあたらめてプロだなと感心してしまいます。
そのおかげか、開校より2年と少しが経ちますが、お預かりしている子ども達は、常日頃からたくさん愛情を受け、心が満たされている状態であったり、話を聞くこと、見通しを持って考えることを促しているため、全体的に落ち着いていたり、優しかったり、やる気満々だったり、皆ステキな魅力が育っているなとその変化にうれしくなります。



学習面では、日本語と英語の言語活動、総合学習(算数、社会、理科、アート、音楽)など、アカデミックな学びもたくさん行いますが、あまり目に見えるプリント学習は多くなく、また大筋のプラン以外は、その時の子ども達に合わせて先生方が興味を引き出すようなレッスンスタイルのため、ここは保護者の方にわかりにくいところもあり申し訳ないと思いながらも、子ども達には楽しい時間になっているようです。

アカデミックなレッスン以外には、デモクラティックタイムなどの自由探求の時間も取っています。一見ただ遊んでいる空間ですが、この「遊び」も不可欠で重要な役割を持ちます。デモクラティックタイムの様子

 先日、先生から面白い話を聞きました。ある子がバイオリンのレッスンを待っているときに「ここはバイオリンをしている子だけで遊ぶの」とグループを作り、他のお友達を入れてあげないと言っていたことがあったそうです。先生はどうするのかなと見ていたら、ひとりの子どもは、グループに入りたかったけどどうしていいのかわからず固まり、また別の子どもは、なんとか入ろうと、「わたしもお家でバイオリンみたいなのしてるから入れるよね」と本当かウソかわからないような話をして半ば無理やり(笑)グループ入っていったそう。それを聞いて、「たくましい!」と笑いましたし、この子はきっとどうやっても生きていけそう。とこれってまさに小さな社会の縮図で、このような経験を遊びの中でたくさんして自分のものにしていって欲しいなとしみじみ思いました。



 いろんな意味でバランス良く賢くなってもらいたいと願うならまず思いっきり「遊び」ではないでしょうか。今はたくさん選択肢もあり、いろんなことを経験させてあげようと、たくさん習い事や旅行も良いですが、子ども達が自分のペースで考えて自由にする時間も大切にしてあげてください。

分かりやすい記事がありましたのでこちらご参照まで。
https://gigazine.net/news/20180514-why-children-needs-play/



2019年4月11日木曜日


「グローバル」「国際人」って?



  昨今、学校のHPや資料で、「グローバル」「国際人」という言葉がどこにでもあふれています。ふと、何をもってグローバルと言うのか・・・国際人って何だろう・・・と、考えさせられます。
まだまだ家庭によって様々だとは思いますが、今時の若者は、世界中の情報を手軽にスマホで見ることができて、そうゆう意味ではボーダーレスになってきていますし、大学も日本の大学ではなく、海外の大学を目指す学生の数が増えています。
私達も、単純に「グローバル」「国際人」という言葉に踊らされるのではなく、具体的に何が?ということを検証する必要があるのではと思います。

 先日、海外から来られた大学教諭とお話をする機会がありましたが、国際的には、「持続可能な社会」(どのように今地球上にある資源や環境を守り、人類が生きていけるように持続していくか。)ということの意識が高く、その調査のために日本に来日されているということでした。欧米では環境や世界が抱える課題を、学校内に責任者を立て積極的に教えています。PISA(国際学力調査)では、昨年より世界の15歳にGlobal competence=環境や多様性への知識と理解がどれだけあるか、を測るテストが行われました。

 どうして難民や亡命者がうまれるのか、一国の経済崩壊がどうして世界に影響するのか、環境に配慮した企業製品を選ぶのか、世界の文化や宗教に理解があるか、日常で国際的な問題についての議論が積極的に行われているか・・・など、今の日本の15歳(中学3年生)でどれだけこの質問に答えれる子どもがいるでしょうか。(大人も勉強をし直さなければですね・・)


 同じく企業でも、環境衛生管理がどれだけ整っているかが、海外に進出するには必要不可欠になっているため、英語が話せてその管理資格をもつ人材がとても不足していると聞きました。子どもたちが社会に出るころには、地球規模で問題意識や理解のある人が、活躍していくことだろうと想像できます。英検や入試でも、環境や社会問題について意見を求められることがより増えていくでしょう。

 その他に、教育や就活関係の書籍や記事を読んでいると、「オールドエリート / ニューエリート」や「人より突き抜ける」という言葉を良く耳にします。今までは、人と同じようにというのが良いとされていましたが、これからは、一見学力に関係のないことでも、人の何倍も何かに打ち込んでいる人や、面白い経験やエピソードをたくさん持っている人は、それが強みや魅力になり、評価されていくということです。たくさんのことを経験し、知識や考えを広げ、子どもたち自身が無心に打ち込めることをたくさん見つけていってくれることを願い、スクールでも微力ながら力になれることを、柔軟に取り入れていきたいです。