2017年7月5日水曜日

心を育てる


 リトルスプラウトが元町に開校してからまだ半年も経っていませんが、日々子供たちと接する中で、リトルスプラウトは英語を教えるだけのスクールではなく、子ども達の心の成長を保護者の方々からのコメントをいただき、とても自信と励みになっています。コミュニケーションとしての英語や、ていねいで正しい日本語を使う言語能力はもちろん身についてきている子ども達ですが、何より私たちスタッフが一番大切にしていいることは、子ども達の心が安定して、柔軟な発想が出来る大人になり、社会に出ることまでをイメージして育てていくことです。


 お預かりしている間、2.3.4.5.6歳、年代別に身につけておいて欲しいことを、一人一人細かく先生方は観察をしてくれています。手がかからない子どもも、それが良いかというと自分を出せずに閉じこもっている様子であったり、人一倍慎重な子どもも、先生方はゆっくり待ちながら少しずつ殻から出てこーいと導いてくれています。まずは信頼関係を築いて、殻が割れ子どもらしさを出してくれるようになって欲しいと思いながら、地道に語りかけをしています。子どもは一人一人違います。その子の良いところはそのまま伸ばしてあげ、年齢と成長を考えた上でここが心配だなというところは、矯正しつつ身につくよう忍耐強く働きかけてくれている先生方がいます。

 
 先日先生方と、『失敗体験をたくさんしている子どもはバランスが良い』という話をしていました。『失敗』をするということは、その前にアクションがあり、そのことによって失敗をしている訳ですから、いろんなことを経験したりチャレンジすることが、子どもの成長にとても大切なことだと思います。リトルスプラウトでお預かりする子ども達の年代で言う体験は、ほんとうに生きることの基本中の基本になるような身の回りのことや、まだちいさな世界の中で体験することになりますが、子ども達がワクワクして、やりたい!面白そう!と思ってもらえるようなプログラム作りを先生方と考えていきたいです。




 今日は、『雨の日散策』ということで、雨がちらつく中、レインコートとレインブーツを着て出かけました。台風が去ったあとの公園には大きな水たまりがあり、入りたいけど汚れたら・・と守りに入る子ども達をみて、先生が『さあー今の時間は好きなようにしていいよー!』と声をかけ戸惑いながらも一歩を踏み出すと、最後には思いっきり心を開放して夢中になる姿があったそうです。先生が撮ってくれた写真からそれがとっても伝わりました。このような何にも制限されず表現できる経験はとても価値のある時間です。目で見る、耳で聞く、触って感じる、鼻で感じる、心で感じる。というすべてが、脳への刺激になり、体の機能や子ども達の心をどんどん成長させてくれます。







2017年7月1日土曜日

話を聞いて褒めてあげる


 ”女性、子どもを笑顔にする”をテーマに、スクールのお話を少しさせていただき、それぞれの分野で活躍する方との意見交換を行いました。2時間の予定でしたが、話は尽きず次に移動した場所でもたくさん話しをさせていただきました。0歳~の赤ちゃん保育と執筆をされている方、幼稚園、小学校、中学校、病院の臨床心理士さん、発達支援、特別支援、主婦世代やシニアのサポートまで、人間の一生を網羅するメンバー構成が素晴らしかったです。それぞれのリアルな現場の声を聞けて、学びや気付きがたくさんありました。

 
 自己紹介は、アクティブラーニングを体験する”ヒーローインタビュー”を使って始まりました。2人組で、まず一人が’良かった’、’うまくいった’ことを話し、相手のインタビュアーは、①うなずく、②なるほど、③すごいですねと言うだけで聞くことに徹する。それぞれやってみてどう感じたかということを意見し、理解してもらえる=気分が良くなる=もっと話したくなるを体験しました。頭で考えるのと、口から言葉が出ることと、体感することというのは、全く異なった感覚なんだということは、自分で体験してみないとわからない経験ですね。実はこれは、自分の好きなこと、自分の得意なことは何?を話す練習をしているのですが、子どもの自主性を伸ばすためには、話す(聞いてもらえている)体験と、自分で選ばせる(自己決定)できたことを褒める(自己効力感)を生活の中で意識していくことが大切です。何を着ていく?何を食べる?小さなことでも褒めてあげる。子どもが約束を守れないと相談してきたお母さんに、その約束は誰が決めたかを聞いてみると、お母さんが一方的に決めたということだったりするわけです。子どもが決めることがすべて正解でない場合もあると思いますが、その場合は、この場合はどうだろうねと投げかけ、また子どもに考えさせてみたら良いと思います。


 大学院でゼミのティーチングアシスタントをしていた臨床心理士の方は、学生に’学びたいことは何か’と聞くと、やりたいことがない、何となくこれかなーという声が多く困ったという経験から、説明できる能力がないことを問題定義されていました。それはその子たちが、学校や家庭で自分の考えを述べる経験をさせてもらえなかったり、意見をしたときに周囲から怒られたなど、良い体験をしていないということが背景にあるかもしれないとお話されていました。子どもだけに限らず職場でも、話す場、話してもいいんだよという環境を作ることは大切だと思います


 社会の流れはというと、今までの読み書きそろばんのIQだけを伸ばす学習では通用しないということは周知されていますが、世界で活躍する有識者たちから、日本の変わらない受け身の教育では若者がかわいそうだという声が上がり、この1.2年でムーブメントが起きたとのことです。それを受け、文部科学省では、大学の受験基準を、コミュニケーション能力、プレゼン能力、他者を重んじる能力、論理的な能力を求めるものに変えていくことが動き出しています。そのような力というのは、すぐに身につくものではないので、小さい時からの家庭や教育現場での働きかけが必要になります。しかし、文科省、教育委員会から’アクティブラーニング’をやりなさいと言われても、現場の先生方はとても困惑していると現役中学校の先生が大きく頷かれていたのが印象的でした。ここでもやはり子どもの貧困やネグレクトが話題に上がり悲しかったのですが、現場では表に出ていない問題が山積しているそうです。行政は、なぜかやることが遅くぎこちない感が否めません。待っている間にも子どもはどんどん大きくなるので、やはり個人が情報収集して自分の力で子どもを導いてあげる努力をしなければいけないと思います。


 他には家事マイスターという方もおられ、家事がスムーズにいくと、家庭が笑顔になるんですよとお話されていました。互いに褒める、お母さんも褒める、誰も褒めてくれなかったら自分で褒める(笑)お母さんが笑顔であることが、家庭の笑顔につながります。これもまた違う視点で大切なことだと思います。
 大人になってから問題が表面に現れ、臨床心理士の医療的な助けが必要になる人もいます、その以前には学校の教育現場があり、そのもっと前に私たちのスクールのような幼児教育の現場があり、そして家庭はずっと子どもたちにとって一番関わりの深い場所です。子どもを取り巻く私たち一人ひとりが、何が生きることにおいて大切なことなのかということを見落とさないで、子どもたちに寄り添い導いていける価値観をもっていかなければいけないなと感じました。
新しい方々との出会いはいつも学びで面白いです。なんとか、たくさん話した交流会の内容がまとめられました。あーよかった(笑)