2017年5月30日火曜日

当たり前のことが出来るように


人に出会ったときに挨拶をする。何かをしてもらったら「ありがとう」と感謝する。電車でお年寄りに席を譲る。困ってる人がいたら自分に出来ることはないか考える。目上の人には敬語を使う。。。

当たり前の事なのに、出来ない人がどれだけ世の中にたくさんいることでしょう。

そんな話題がスタッフから出たので一言。

アルバイト先では、サービス業なのに暇になると、何か掃除や片付けなど自分にできることは無いかと探す前に、携帯を出して見る。

コンビニでお金を払う時に、イヤフォンをつけたままなので、お店の人が袋がいるかと聞いていることが聞こえない。

払う時にお金を投げる。くじ引きでタダで当たったものに対して、「しょーもなっ、他のに替えてくれない?」とコメントする。

あるあるですが、どの人の親もこんな風になることは望んではいなかったと思います。

何が足りなかったのでしょうか。。。
どこから間違ったのでしょうか。。。


別の日には、凶悪な事件がスタッフの中で話題に上がり、子ども達のこれから長い人生の中で、どんな良いこと悪いことが起こるかは私達にもわからない中で、例えば、本当に想像を超える最悪な状況になり、自身が追い込まれたときに、命に関わる間違った行動を取らないように、そこから方向転換して前に進める力を持った人になって欲しいと、大げさかもしれませんが、そうだねと共有し合いました。

何が大事かというと、自分はたくさんの人に支えられて生きているということ。生きていく上での本質をきちんと認識させていくことが、とても大切なんだと思っています。

そして子どもは親を選べません。放任すぎても過剰にかわいがりすぎるのも、子どもは後でしんどい思いをするでしょう。幼児期、小学校低学年までは、親の価値観や与える環境が、子どもにとってのほぼすべての世界です。子どもに広い世界を見て欲しい、たくさん知識を得て欲しいと思うのであれば、親も常に視野を広げて成長する背中を見せることが必要でしょう。

スクールでお預かりしている数年の間は、ご父兄と共に楽しみ学びながら、子ども達の末長い人生が喜ばしいものになるよう、お手伝いをさせていただきたいと思います。





自主性を伸ばす環境

スクールでは、15:00に一旦さようならの会をして、その後は、デモクラティック教育を行います。デモクラティック教育の時間は、スタッフはあえて設定保育を行わず安全面に配慮するだけで、子ども達はスクール内の施設や道具を使い、自分のやりたい事を本能のままにやりたいだけ行い自由に過ごします。
今日は、なぜか皆ならんでライティングの練習をしていました。先生がやりなさいと言った訳でもなく、先生の横に座りお仕事の真似をしています。やることを常に与えられたり、やらなければいけないと強制される環境では、自主的に行動することや、学ぶことは楽しいんだと感じる気持ちを育てることは難しくなります。スクールでは、少しずつ先生の手を離れて、自分の力で一日を作っていく姿もたくさん見られるようになり、成長したなーと感じています。


スタッフ同士もコミュニケーションを取り、「この子はこんなことが出来るようになった」、「この子はこうゆうことが得意だね」と話しをするのですが、自分が見ている印象と、他のスタッフが感じている事が、必ずしも一致しない場合もあり、そこでまた新しい考えを吹き込んでくれ、「ああ、そういう見方もあるのか」と学ばせてもらうことが良くあります。スタッフもそれぞれ慎重に子ども達を観察し、今どうしてあげたら良いのかと考え向き合ってくれていることを、頼もしく感じます。

学びと言えば、スクールは街中にありながら、自然と触れ合いながら学ぶ機会を多く取り入れています。公園でも木登りをしたり、シロツメクサの冠を作ったり、身近な自然から、田舎での郊外活動など本格的な自然まで、どのように自然教育を保育に取り入れていけるか日々チャレンジをしています。先日からいつも水遊びをする場所に、メダカが居たので子ども達で捕獲して(注:水がもう干上がりそうだったため救済とも言えるはず)、教室で観察するようにしました。お家でカブトムシの幼虫を飼っていたお友達が一日スクールの友達に見せてくれたこともありました。そんな子ども達の刺激になるチャンスは、歓迎して柔軟に取り入れていきたいと思います。


2017年5月25日木曜日


神戸の港があそび場


昨日は雨、今朝も雨で、室内遊びをする予定でしたが、お昼を過ぎて窓から太陽の日差しが見えてきたので、パークタイムには外に出かけることにしました。いつも遊んでいるメリケンパークですが、毎日外国から来たお客様がたくさんで、子ども達に笑顔で手を振ってくれたりします。週末に近くなると、制服を着た郊外学習の中学生、高校生がたくさん歩いています。子ども達に、『どこから来たんだろうね?』、『聞いてみようか?』と相談しながら、子ども達の身近な存在であるスクールの近くを通り過ぎる人たちは、どんなところから来た人達なのか、そんなところから興味を持ってもらうことで、子ども達の世界が少し広がればいいなと思っています。


今日は、噴水の前の石畳で鬼ごっこ遊び。走り回って汗をかきました。




何気ない、毎日の公園も観光しているかのよう(笑)ボート型のベンチで船に乗った気分。



子どもの自信とやる気を出す教育


朝タイムラインに、フォローさせていただいている、本間正人先生(京都造形芸術大学副学長・創造学習センター長)が、インタビューを受けた際の記事が上がっていましたので、ご紹介したいと思います。

”子どものやる気を引き出す言葉と親の態度”

良く言いがちな、”宿題をやりなさい”、ではなく ”一緒にするよ” という言葉かけの方が、能動性を育てるんだなと、私を含め改めて心がけたいと思いました。インタビューの最後にもありますが、子どもには無限の可能性があって、何だろう?何でだろう?という興味は、本来すべての子どもが持ち合わせる資質です。スクールは、子ども達が興味を持って、自ら知りたい、聞いてみたいという心を大切にしています。ワクワクエキサイトしている子ども達は、無限の吸収力があります。そしてその興味を出来るだけたくさん長く生涯持って生きていって欲しいなと思っています。

母国語である、日本語の学習では”思考力”を伸ばしています。何を言うのか、何を伝えたいのかを自分の頭で考え、皆の前で発言をする練習をしています。皆の前に立って、自己紹介をすること。前に立っている人に『それはどうしてですか?』と質問をする。まだ、子ども達は『どうしてですか?』と同じような言葉を繰り返すだけが多いですが、『どうして〇〇と思うのですか?』など、少しずつ具体的な表現が出来るようになってくると、また良いなと思います。思考力を日本語で育てることは、その力を使って英語でも文章を作り、コミュニケーションをとっていけることに深く関係しています。最近では、子ども達も自信を持って、英語でも日本語でも発言できるようになってきたので、嬉しいです。



2017年5月17日水曜日

子どもの将来



『将来、子どもにどんな風になってもらいたいですか?』と聞かれると、『幸せになってほしい』と、ほとんどの親が願うのではないでしょうか。

では、『幸せ』とは何でしょうか。笑顔で過ごせる。家族が仲良し。お金に困らない。やりたいことを仕事にしている。。。どんなことが浮かぶでしょうか?

どの場面を想像しても、将来の『幸せ』に大切なことはきっと同じで、自分らしくあることや、起こったことを受け入れて前に進む力があれば、幸せな人生を作っていける人になれると思います。シンプルに『幸せ』と言いながらも、大人の方が焦って過剰な習い事や勉強をさせているときには、子ども達の将来の『幸せ』とは違う方向を向いているのではないかなと感じる時もあったりですが、子ども達が自分らしくあるためには、自分に自信を持ち、他人と違っても良いし、人の違いを受け入れることや、知らないことや新しいことに飛び込むことを恐れない環境を作ってあげることが大切だと思います。

『幸せ』というのは、物事の考え方や行動で大いに変わるもので、同じ出来事でも、考え方ひとつで、良くも悪くにも受け取り方を変えることが出来ます。子ども達には良い方向に頭を切り替えれる力を持って欲しいですね。

スクールでは、英語や日本語の言語ツール、その他の教科、外に出かけて見たり感じたりすることから学ぶ実体験や、広い視野を持ってもらうための学びを意識してレッスンに取り入れています。
生活面では、自分のことが自分で出来るよう、登下校の身支度や、レッスンの準備、給食の配膳やお当番などの役割で、少しずつ出来ることが増え、自立できるようにチャレンジする工夫がたくさんあります。

ひとりひとりご家庭での環境や、親との関わり方が異なる為、同じ年齢でも出来ること、出来ないことは様々です。スクールでは、子ども達が近い将来、そして遠い将来に『幸せ』な気持ちで社会で生きていけるよう、足りないところを見つけて軌道修正しながら、学習面、生活面、精神面でバランスの良い基礎を作る手助けをさせていただくことに取り組んでいます。

開校からお預かりしている子ども達も、ずいぶんと変化がありました。消極的。好き嫌いが激しい。わがまま。意地悪を言う。騒ぐ。体力が無い。間違いを怖がる。興味が薄い。感情を出さない。など様々。それもスタッフや先生方は、一人一人観察し改善していけるように、日々声掛けや工夫をしながら指導しています。良く出来た時は皆で拍手をして喜びます。その繰り返しをする中で、最近では本当に互いに優しい気持ちが育ち、先回りした行動が出来るようになってきていて、私達もやりがいが有りとても嬉しいです。

リトルスプラウトでは、プリスクールとして英語を身に付けることだけが大切ではなく、生きる為、魅力的な人間になるために大切なことは他にもたくさんあり、幸せな人を育てるスクールとして日々子ども達に何をしてあげれるのか、熱い思いで取り組んでいます。


2017年5月15日月曜日


ピーピー豆


とある日のパークタイム。数人が集まってピーピー豆を探していました。きっと他の先生に教えてもらったのか、葉っぱをどうにかして、吹くと『ピーピー』と音がなるんだそう。それを他のお友達に実践して見せているのですが、その口調がしっかりしているなーと感心。というのも、出会ったときには聞こえるか聞こえないかの心細い声で話していた子が、自信をもって説明する姿。成長したな~と嬉しく見ていました。



みんな集まって、興味津々お友達の話を聞いています。(ピーピー豆の中には小さな豆が!)



街中の公園でも、小さな自然が生き生きと育まれています。時に公園で走り回るだけではなく、身近な自然を観察して、そこからたくさんのなんだろう?を学ばせてもらっています。




先生たちの苦悩(笑)


ゴールデンウィークなどの連休明けや、週明けの様子。子どもたちはそれぞれお家で大好きなご家族と過ごして自由に過ごしたんだろうなーと嬉しい反面、なかなかスクールのスイッチが入らず、先生たちには、お休み前に出来上がっていた空気も、何歩か下がってまたスタートする苦悩です(笑)人間を育てるというのは、本当に進んでは戻り、進んでは戻りで、忍耐が必要だなーとひしひし感じる日々です。


スクールでは、子どもたちが年齢に応じて、身体的、精神的に自立することを大切に指導しています。子どもたち自身が一日のスケジュールを把握して、先生に言われなくても時間になると自主的に教室を移動したり、準備が出来るよう工夫した保育をしています。精神面では、先生やお友達に対する話し方や、問題が起こったときに、”じゃあどうしたら良かったのかな?”と、自分たちの力で答えを導くように話をしていきます。必ずしもいつもパーフェクトに出来る訳ではありませんが、繰り返し語りかけることで、少しずつ確実に成長が見られ、お預かりしている日数が長い生徒ほど、精神が安定して他に対する思いやりや、自信が生まれていることを実感しています。



5月に入り、スクールでの15時以降の様子は、日を追うごとに賑やかになっています。小さいナーサリーさんには、ちょっとした仕掛けを作ってあげ、ひたすら黙々と何か頭で考えながらあれこれやってみている様子が可愛らしく面白いです。ただの筒と梱包材も、筒からポトンと落としたりして試してるんだなと思ったら、キンダーさんがやってきて、こんどはパン屋さんだと、トングやトレーを設置し始め、同じものでも違う遊びをする想像力が面白いなーと、私達も様子を観察しています。


保護者の方もやってきて、神戸まつりの衣装をワイワイお話しながら作ってくれています。スクールにとって、子どもたちだけなく、保護者も気兼ねなく集まったり、先生や保護者同士、相談できる場所として使ってもらえることはとても光栄です。


今日はお洗濯日和です(笑)紙やカバン座布団まで、大胆にいろんなものがロープに干されています。ナーサリーさんには、この洗濯バサミの使い方がまだいまいち難しいようで、試行錯誤して、また失敗して指をはさんでしまったり、こうゆう些細なことも学びと訓練ですね。


👆梱包材の吹雪を自分に浴びせて遊んでいます。顔がしわくちゃですごい(笑)
子どもたちはそれぞれとてもユニークです。おしゃれが好きな子、絵や色を塗るのがとにかく好きな子、おままごとが好きな子、なぜか長い棒にばかり興味を示す子(笑)それぞれひとりひとり、好きなことや個性を伸ばす時間です。






2017年5月8日月曜日

先生のこだわり


教師としての資格を持ち、教える事にプロである先生方は、プリントやフラッシュカードなど既製品の教材に頼りすぎず、自分たちで教材を作るんだなと開校から感心しています。年齢に応じて飽きないように、適度にジェスチャーなど体を使いながら指導してくれるので、教室から子ども達の活気ある声がいつも聞こえてきます。教材は手作り感満載ですが、レッスンの合間に黙々と切ったり張ったり、ノートにあれこれ書き留めたりしている姿を見かけ、先生の愛がこもっています。



また、語りかけや子どもとの関わり方も絶妙だなと感じます。5月7日(日)の神戸新聞に、神戸親和女子大発達教育学部教授であった、勝木洋子先生の記事がありました。『子どもはふれあいの中から言葉を学びます。複数の言語を身につけさせようと、乳児期からテレビの前に座らせ、いろんな言葉を聞かせていても、話し出したときにはどの言語も上手に話せなくなっていたということ。まずは母語を大切に。絵本を読んだり、歌を歌ったりして、たくさん語りかけることが、英語の習得を助けることにもつながるでしょう』と書いてありました。



日本においての英語プリスクールでは、英語が話せて、子どもが好きだからということで、現場で働く外国人の方がたくさんいますが、英語が話せるという程度も様々であり、子どもが好きと言っても、子どもの発言や変化にどれだけ興味を持って関われるかという事はまた別の話で、なかなか関わり方や語りかけがぎこちないと感じる場合もあります。
また、スクールに面接にくる先生方から、どうして前職を退職した(したい)のかと質問をすると、スクールによってはきちんとした教育のカリキュラムがない、教材が足りない、改善したい点を言おうにも上司が時間を作ってくれない、指導するトレーナーとの相性が合わないなど、苦情を聞くこともしばしばです・・・・・。ただビザの為、お金の為だけという先生は、モチベーションも低く問題外ですが・・そういう人も、子どもの保育や教育に携わる場合があり、その場合ちゃんと見てくれるのか安全面が心配になります。どの現場でも同じだと思いますが、プリスクールでも人材とクオリティーの維持が、大変であり、継続して取り組む課題だと思います。

 

こちらは、午後からの小学生向けアフタークラスの教材です。その日に練習する文法を使った文例を、(なんと!)手書きで作り、一枚一枚ケースに入れ替えて毎回手作りしてくれています。



アフタークラスは、初級、中級、中上級、上級と4クラスくらいに分かれますが、上級クラスの読むことがとても上手な子どもたちも、会話になると簡単な過去形さえ自然に口から出ない現状があり、読めるのに話す動詞がすべて現在形というアンバランスを打破するべく、ゲームなどで競いながら動詞を変化させ、文章を作る練習をしてくれています。





『子どもがクリエイティブに育つ街、神戸』


先日、神戸市が主催の”『子どもがクリエイティブに育つ街、神戸』を考える”という、ワークショップに参加してみました。クリエイティブな子どもってどんな子?街でどんなことが出来るのか?をテーマに、年齢や経験も違う方々とアイデアを出し、考えてみました。


クリエイティブという言葉は教育現場でも良く耳にしますが、時代が変化するスピードがどんどん速くなっていると感じる世の中で、子ども達が変化に負け人生を諦めるのではなく、笑顔で幸せに生きれる時間が長くあって欲しいと誰もが子どもに望んでいます。では、どんな力を子どもに身につけてあげるべきなのかと考えると、変化に対応出来る力ではないかなと思います。どんなことが起こっても方向を変えれる柔軟さや、そこからどうするべきかアイデアが浮かぶ発想力、頭に浮かんだことを現実のものにしていく知識と行動力があれば、子どもが将来一人社会に出てもたくましく生きていけるのではないでしょうか。


皆さんと話しをしていて、『あ、そうだ』と思ったのですが、たくさんの経験とチャレンジをさせてみることでたくさん失敗もするし、それが失敗体験となり次にどうするかを学ぶことが出来ます。そうすると次は上手く出来ることで、それが出来たなという成功体験と自信になります。自信を積み重ねた子は、チャレンジをすることを恐れず行動し、また失敗を重ね・・・・と、それが良い成長のスパイラルになるのではないでしょうか。新しい世界に飛び込むことを恐れない子は、どんどん見る世界も広がり、思考もより深くなります。様々な経験をした子どもは、面白いので周りから興味を持たれ、人が寄ってくるようにもなるでしょう。そして集まって来た人たちから与えられ得るものが、またその子をさらに成長させてくれるはずです。素晴らしい! 私達のスクールの方針、”愛される人というのは、よりたくさんのチャンスと幸せを得ることができる”というのは、このあたりを目指している訳です。


ワークショップでは、同伴した子どもたちが紙皿やコップを使った遊びをしていました。スクールでも毎日15時半からのデモクラティック教育の時間に、廃材として捨てるものから自由にクリエーションして遊びを生む子ども達の姿があります。その時間にいるスクールの子ども達は毎日それが出来る環境を作っています。はじめは遊び方もわからない様子でしたが、やっと大人が関わらずに子ども達の世界で遊べるようになりました。しかし、まだまだもっと私たちを驚かせてくれるような、大胆な発想が生まれる日を密かに私は楽しみにしています。
スクールでは、もともと子どもが本来持っているクリエイティブさをつぶさないよう、それまでの環境で閉じ込められてしまった子には殻から出てこーい!と先生やスタッフがいろんな仕掛けを日々考えて工夫しています。スクール開校から短期間ですが、子どもたちの行動や発言が変わり、その効果が目に見えていることに私達も日々嬉しく感じています。